利用者さんコラム その3

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作業とは?

ゆずりは作業所は「作業療法士」さんが開いた。

「作業療法士」という仕事には倒れて初めて出会ったが、OT(Occupational Therapist)というその名前に冠された作業(Occupation)は英語で言うと「職業」や「仕事」という意味にあたるが、その大元にあたるOccupyという単語は「手でつかむ」ということを意味している。

そのためか、病院やリハビリクリニックでは「脚のリハビリ=歩くこと」はPT(理学療法士Physical Therapist)の担当で「手や腕のリハビリ」はOT(作業療法士)の担当、と単純に分けている場合も多いように思う。

しかし、自分の中では違った。

人間は外から入ってきた情報を高次な脳機能(要不要を瞬時に判断したり、並行処理を行ったり、記憶と結びつけたり)で処理をして必要な動作や動きの指示を身体の各部分に送って動かしている。

PT(理学療法士Physical Therapist)はそのそれぞれの身体のパーツをきちんと動かせるようにするいわば「整備士」のようなものだ。

そしてその「整備士」がうまく動くように整備した身体に脳が正しく判断し処理した結果が「指示」として送られて正しく動作して初めて「作業」が完成する。

脳が把握(Occupy)している動作が「作業」だ。

「給料をもらってする仕事」だけでなく、服を選んで着て、予定を立てて靴をはいてドアを開けて出かけて散歩するのも買い物に行くのもあらゆることが「作業」だと言える。

関節の動きや筋肉を鍛えてそれを脳の処理と指示で「作業」というカタチに結実させることがとても大切なことで、ゆずりは作業所にはそういう「作業」を繰り返し行い訓練する環境が揃っている。

趣味の仲良し同士がただ集まってサークルのように楽しんでいるのではない。

やって来たらまずタイムカードを押し、「お金を頂いて仕事をしている」というモードに切り替えてその空気感の中で(それぞれの利用者の状態に応じた「少し複雑な作業(それは革細工だったり工芸品作りだったりチラシの折り込みだったり畑仕事だったり)」を行う。

~「脳と身体を結ぶ何気ない作業を訓練すること」が、作業所が提供してくれる大切な機能だ。 ~

------ ここまで引用 ------

作業療法士は作業療法や作業のことについてどのように考えているのだろうか。

養成校では「作業療法とは何?」という授業もあるが、卒業後はどうだろう。

そして我々は患者さんや利用者さんにOTの説明や理解を促すようなことができているのだろうか。

なかなか自分(OT)のことは、うまく伝えられないものだ。

なのでOTではない第三者、特に作業療法を受けたことのある患者さん/利用者さんからの上記のようなすばらしい作業療法のついての考え/説明はとても貴重だ。

多くの方に、そしてOTの方々に読んでほしい文章なのです。

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